スランプに陥ったら「信念を貫く」と未来が開ける/歌舞伎町10億円女社長

―[歌舞伎町流「欲望のすヽめ」]―

こんにちは、内野彩華(うちのあやか)です。

新宿・歌舞伎町にキャバクラを4店舗経営する歌舞伎町の女社長。そんな私が野心の大切さを説く、この連載。第55回は「信念を貫く」がテーマです。

仕事をしていれば、本気で取り組んでいればいるだけ、必ずスランプが訪れます。そんなとき、何を信じればいいのでしょうか。正直言って、わたしにはそれがよくわかりませんでした。

今回は、わたしの例を振り返りながら「信念を貫けば未来が開ける」というお話をします。

◆キャバクラで経験したスランプ

キャバクラで働くようになってからもう20年。これまでにいろいろなスランプを経験してきました。はじめのスランプは、キャバ嬢でなかなか売れなかった時代。

試行錯誤してナンバーワンになったあと、強敵が現れてナンバーワンの座を奪われてしまった時期。キャバクラを経営しはじめてからも幾度となくスランプに見舞われました。

スランプに陥っているときは、目先の状況にパニックになって、基本の動作を忘れがちです。

キャバ嬢で売れなくなったときは、焦って黒服や仲間のキャバ嬢に当たり散らした結果、「もうあなたと一緒になんてやってられない」とか「あなたにはついていけない」と呆れられて、協力してくれる大切な仲間を失いました。

◆「ありがとう」のLINEを忘れてしまった

本来は毎日お客様に「ありがとう」のLINEや、近況報告のLINEをすべきなのに、できないこと。お客様の誕生日をチェックしてプレゼントを手配したり「おめでとう」のLINEをすべきなのにすっかり忘れてしまうことも。

いざ、自分の誕生日の営業をすると「わたしの誕生日を忘れてる人の誕生日なんて祝いたくない」と言われたりしたこともあります。

それから、久々来てくれたお客様にここぞとばかりに単価をあげようとしたら「なんかガツガツしてて変わったね」とか「歌舞伎町に染まったね」と言われ、二度と来ないお客様となってしまったりしました。

このように、スランプのときにやたらめっぽう動きまくると、事態を悪化させて、さらに状況を悪くしてしまいます。

◆スランプに陥ったらどうすべきか?

では、こういうとき、どうするか。

はじめの頃は、スランプが過ぎ去るのを、ただひたすら祈るように待っていたように思います。そして、何回もスランプを経験するうちにわたしなりのスランプ脱出法を見つけました。

それは、はじめて仕事をした日のことを思い出すのです。わたしがはじめてキャバクラで働いた日のことです。店内の内装がキラキラしていて、高級ボトルが並んでいて、とてもきれいな女の人たちがお客様とニコニコ会話していました。

たくさんのお客様が、みんなニコニコしていてまるでここは夢の国のようだと思いました。仕事から帰って次の日朝起きても「あれは本当に夢だったんじゃないか」と疑うほどにわたしの中ではキラキラと輝いていました。

「よし。わたしもここで夢を売ろう!」

これが、わたしがこの仕事をはじめたとき、最初に感じた信念でした。

◆キャバ嬢が絶対にしてはいけないこと

この時の気持ちを思い出すのです。そうしたら、夢の国のはずなのに、黒服やキャバ嬢に当たり散らすというのは絶対にしてはいけないことでした。

黒服とキャバ嬢は“夢の国”を作るのになくてはならない存在。言いたいことがあるのなら、せめて営業時間が終わってから。黒服とキャバ嬢とマンツーマンで相手の意思を尊重しながら話を進めるべきでした。

キャバクラは営業時間で幕が閉じるものの、キャバ嬢とお客様の関係は、お客様が来客しなくなる日までずっと続いているのです。しかもその来客しなくなる日というのは、いつになるかわかりません。

キャバクラが夢の国なら、お客様は、その余韻に浸りながら次の来店日までを過ごしているはずです。それなのにやりとりを途絶えさせてしまっては、夢をぶち打ち壊しているのと同じことです。

近況報告やありがとうのLINE、おめでとうのメール。一緒に喜びをわかちあったり、悲しみをわかちあったりする連絡は絶対に途絶えさせてはいけないものでした。

◆一瞬の表情でお客様の気持ちが離れることも

最後に、これは夢の国「ディズニーランド」と同じことですが、お客様の前でミッキーマウスが突然、“キャラ変”してしまっては、彼らをびっくりさせてしまいます。

お客様はわたしたちの一瞬の言葉尻や、一瞬見せた冷めた表情で、すぐ夢から醒めてしまいます。お客様と対面している間や、LINEや電話でつながっている間は、絶対にどんなお客様も最高に気持ちがいい状態になってもらわなくてはいけません。

それができないと思うなら、そういう日は接客すべきではないし、LINEの返信もすべきではないし、電話もでるべきじゃないと思います。といいながら、逆説的ですが、接客できない日や返信しない日、電話に出ない日が続けば不信感となり、また夢から醒めてしまいます。

そういう意味では、キャバ嬢は適度に健康状態を保って、それでもどうしても気が乗らない日はノルマを決めて「必要最低限、これだけはしよう」ということだけをするようにして、なるべく早く、元の健康な状態に戻すように努めなくてはいけませんでした。

◆スランプに陥ったら信念を貫く

手前味噌になりますが、わたしは今でも「夢を売る」ことに徹しています。幾度となくいろいろな人に「お酒は法外に高い。キャバクラは一体、なにを売ってるの?」と聞かれたことがありますが、そのたびにわたしは「夢を売ってる!」と恥ずかしげもなく答えるようにしています。

一部のお客様からは「あなたから夢を買ったことは一度もないけど……ね。笑」と笑われたこともありますが、それでもわたしはずっと、キャバクラで夢を売ることに、「人生の全てを捧げている」と言っても過言ではないくらい真剣に取り組んできました。

例えば廊下でたまたまあった時、店のキャストのお客様でたまたま挨拶に行った時、新規のお客様とたまたまお話しすることになった時でも、わたしがお店でお客様と話をするときは(どんな状態だったとしても)最高に楽しいと思ってもらえるよう心がけています。

そして、これもどんな状態であれ、わたしと関わったお客様とは、店に来なくなったとしても永遠に良好な関係を築いていくんだという気概もあります。

本来のわたしはぐうたらでだらしなくて、すべてに関していい加減な性格だと思うけど、キャバクラという空間の中で、そのような素を出すことは絶対にありません。なぜなら、これが私にとっての「信念」であり、スランプを乗り越える原動力だからです。

<TEXT/内野彩華>

―[歌舞伎町流「欲望のすヽめ」]―

【内野彩華】

新宿歌舞伎町キャバクラ「アップスグループ」オーナー。株式会社アップス代表取締役社長。津田塾大学卒業。25歳のとき、当時勤めていた外資系IT企業をやめて、歌舞伎町にキャバクラを開業。現在、歌舞伎町にキャバクラを4店舗、銀座にクラブを2店舗展開するまでに。キャバ嬢の育成やキャバクラの立ち上げ、経営改善のコンサルティングなども行い、グループ年商は10億円にもおよぶ。著書『劣等感を力に変える 成り上がる女の法則』が10月31日に発売予定

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